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天日塩と釜炊き塩の違い:火を使わない塩づくりの世界

天日塩と釜炊き塩の違い

  • 分かれ目は水分の飛ばし方。火で煮詰めるのが釜炊き塩、太陽と風だけで乾かすのが天日塩です。
  • 釜炊きは短時間で安定して結晶が得られ、粒の形も整いやすい。能登の揚げ浜式など伝統的な製法もここに入ります。
  • 天日は時間がかかるぶん、熱を加えないためミネラルの角が立ちにくいと言われます。
  • 濃縮から結晶まで一切火を使わないものは「完全天日塩」と呼ばれます。

スーパーの棚に並ぶ塩の裏面を見ると、「天日」「平釜」「せんごう」といった言葉が書かれています。同じ「海の塩」でも、造り方はさまざまです。

なかでも大きく分かれるのが、太陽と風で乾かす「天日塩」と、火で煮詰める「釜炊き塩」です。この違いを知ると、塩の選び方が少し変わってきます。

塩は「炊く」か「乾かす」か

海水から塩を取り出すには、水分を飛ばして塩の結晶を残す必要があります。その水分の飛ばし方に、二つの道があります。

ひとつは、平釜などで加熱して煮詰める方法。短い時間で安定して結晶が得られ、粒の形も整いやすいとされています。能登の揚げ浜式製塩のように、伝統的な釜炊きで丁寧に仕上げる塩も数多くあります。

もうひとつが、火を使わず太陽と風の力だけで乾かす方法です。時間はかかりますが、熱を加えないぶん、塩に含まれるミネラルの角が立ちにくいと言われています。

完全天日:火を一切使わない

天日を使う塩の中でも、濃縮から結晶まで一切火を使わないものは「完全天日塩」と呼ばれます。

ハウスや塩田に海水を張り、太陽と風にさらして少しずつ濃くし、やがて底に塩の結晶が育つのを待ちます。天候次第で、仕上がりまで数ヶ月かかることも珍しくありません。職人は毎日海水をかき混ぜ、結晶の育ち方を見守ります。塩を「炊く」のではなく「育てる」。そう表現される仕事です。

急がせない代わりに、生産量はごくわずか。手に入りにくいのは、この製法の必然でもあります。

土佐の海の天日塩 あまみ:黒潮町の手仕事

この完全天日製法を守るのが、高知県黒潮町の「土佐のあまみ屋」です。黒潮が最初にぶつかる土佐湾のほとりで、火を一切使わずに塩を造り続けています。

ハウスの中の結晶箱に海水を張り、太陽と風だけで数ヶ月かけて結晶させる。職人が毎日、木の棒で海水をかき混ぜながら育てた塩は、その名の通り、なめると塩けの奥にほのかな甘みが広がります。太陽の恵みをそのまま閉じ込めた、土佐の宝物です。

天日塩の楽しみ方

同じ海の塩でも、造り方でこれほど表情が変わります。いつもの塩を一度替えてみると、シンプルな料理ほど違いがはっきりと現れます。

よくある質問

天日塩と釜炊き塩は何が違うのですか?

大きな違いは、海水を結晶させるときに火を使うかどうかです。天日塩は太陽と風の力だけで、数ヶ月かけて水分を蒸発させます。釜炊き塩は平釜などで加熱して煮詰めます。一般に、天日塩はミネラルが穏やかに残り、角のないまろやかな味になるとされています。

完全天日塩とは何ですか?

海水の濃縮から結晶づくりまで、すべての工程で火をまったく使わない塩のことです。太陽と風だけが頼りのため天候に左右され、完成まで数ヶ月かかることもあります。手間がかかり生産量も限られるため、希少な塩とされています。

天日塩はどんな料理に向いていますか?

塩そのものの味が出やすいので、塩むすびや生野菜、焼き魚など、素材を活かすシンプルな料理でまず試すのがおすすめです。仕上げにひとつまみ振る使い方でも、味わいの違いが分かりやすくなります。

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