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長野県の風景(松本城)
Food Culture

長野県の調味料

寒さが待たせる、三年の味噌。

松本城Photo: 663highland / CC BY 2.5

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信州は全国最大の味噌産地として知られています。米麹を多く使う米味噌が主流で、すっきりとした塩味と穏やかな甘みが特徴です。

この土地の強みは気候にあります。冬の寒さが発酵の速度を落とすため、味噌はゆっくりと熟成します。松本には三年かけて寝かせる蔵が残っており、時間をかけた分だけ色は濃くなり、旨みは重くなります。寒さは不利ではなく、待つための条件として使われてきました。

信州の米味噌はなぜ辛口ですっきりしているのか

信州味噌は米麹を多く使う米味噌で、塩分は十二パーセント前後の辛口に分類されます。すっきりとした塩味のあとに、麹由来のおだやかな旨みが立ちます。

味を決めているのは寒冷な気候です。冬の低温で発酵がゆっくり進むため、雑菌が抑えられ、色は比較的明るく、角の立たない仕上がりになります。信州味噌は全国の味噌生産量の中で大きな割合を占めるとされ、長野県味噌工業協同組合連合会が「信州味噌」の銘柄呼称を管理しています。

信州味噌と善光寺門前の七味

信州で味噌づくりが広まった経緯には複数の説があります。鎌倉時代に禅僧が製法を伝えたとする言い伝え、戦国期に武田信玄が軍糧として仕込みを奨励したとされる話、江戸期に松本藩や信濃各地で仕込みが定着していったという流れなどが語られており、単一の発祥地に絞ることは難しいとされています。

長野市の八幡屋礒五郎は元文元年(一七三六年)の創業で、善光寺の門前で七味唐辛子を商ってきました。江戸のやげん堀、京都の七味家本舗と並び、日本三大七味のひとつに数えられます。松本の石井味噌は慶応四年(一八六八年)の創業で、杉桶で三年寝かせる天然醸造の味噌を今も守り続けています。

郷土料理と調味料

おやき
小麦粉やそば粉を練った皮で、野菜や漬物、あんこなどの具を包み、焼くか蒸してつくる郷土料理です。米が育ちにくい山間部で主食を補うために発達したとされます。野沢菜、切り干し大根、なす味噌など、季節の具を包みます。
五平餅
つぶしたうるち米を串に付け、味噌や醤油ベースのたれを塗って焼く料理です。長野南部から岐阜、愛知の山間部にかけて食べられ、たれの配合は家や地域ごとに違います。えごまや胡桃を練り込むこともあります。
野沢菜漬け
下高井郡野沢温泉村を中心につくられる漬物です。秋の収穫後に塩漬けし、寒さの中で乳酸発酵させることで、しゃきっとした歯ざわりと穏やかな酸味が出ます。信州の冬の常備菜として親しまれてきました。

長野県の蔵元・醸造元

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