まずはこの3本北海道の調味料 全部5本



北海道は昆布の島です。国内で採れる昆布のおよそ95%がここのもので、産地が変われば味も変わります。羅臼はコクが強く、利尻は澄んでいて、日高は柔らかく煮える。同じ昆布と呼ばれていても、育つ海が違えば別の調味料として扱ったほうがいい。
塩もそうです。日本最北の稚内では、いまも海水を煮詰めて塩を作っています。それから、羊を食べるために生まれたたれ。昆布と塩とたれ、どれも海と開拓のなかから出てきたものです。
- 国内の昆布の約95%が北海道産
- 羅臼・利尻・日高、海流が変える三つのだし
- 羊を食べるために生まれた、たれの文化
北海道の昆布はなぜ産地で味が違うのか
昆布は育つ海の条件でまるきり性質が変わります。北海道の沿岸は、寒流の親潮が流れる太平洋側、暖流が北上する日本海側やオホーツク海、暖流と寒流がぶつかる噴火湾から津軽海峡と、場所ごとに海の性格がまるで違う。それが昆布の違いになりました。
羅臼昆布は味も香りも濃く、黄金色の濃いだしが出ます。利尻昆布は身が硬めですが、透明で塩気の利いた澄んだだしになるので、色を出したくない京料理で好まれてきたそうです。日高昆布は柔らかく煮えるため、だしを取ったあとにそのまま具として食べられます。
最初の一袋なら日高をすすめます。値段が手頃で、失敗しても煮て食べれば済むからです。羅臼は高い。170gで5,000円を超えるものもあり、毎日の味噌汁に使う昆布ではありません。だしを濁らせたくないのか、コクが欲しいのか、煮て食べたいのか。そこから逆算して産地を選べば、まず外しません。
昆布ロードと北前船
江戸時代、北前船が北海道の昆布を日本海回りで運びました。下関から瀬戸内海を通って、天下の台所と呼ばれた大阪へ。この航路は昆布ロードと呼ばれ、九州、琉球、さらに清国まで伸びていきます。
関西にだし文化が根づいたのは、この順番のせいだと言われます。上等な昆布はまず大阪で売られ、残りが江戸へ回った。だから関東では昆布だしがさほど発達しなかった、という説です。関西の淡口醤油と昆布だしの組み合わせ、富山の昆布消費量の多さ、沖縄の昆布料理。どれも航路の途中で昆布が降ろされた土地に残っています。
北海道の昆布は、この土地の味であると同時に、よその土地のだしの元でもありました。
郷土料理と調味料
- 石狩鍋
- 生鮭と野菜を味噌仕立てで煮る鍋です。鮭の脂に味噌がよく合い、仕上げにバターや酒粕を入れる家庭もあります。味付けの主役が味噌かどうかが、次の三平汁との分かれ目になります。
- 三平汁
- 塩漬けにした鮭や鰊を、大根や人参と一緒に煮た汁物です。江戸後期の記録に残る、二百年以上前からの料理だそうです。味付けは魚に含まれる塩そのもの。調味料を足さず、塩蔵魚の塩気だけで成立させます。鱈を使う塩三平、塩鮭を使う味噌三平と、地域によって呼び方も中身も変わります。
- ジンギスカン
- 羊肉を焼いて、たれで食べる料理です。第一次大戦で羊毛が輸入しにくくなり、北海道で緬羊を飼い始めた。毛を刈ったあとの羊をどう食べるかという工夫から広まった、という経緯があります。たれに漬け込んでから焼くか、焼いてからつけるか。これは道内でも割れます。
北海道の蔵元・醸造元
- 田上食品工業
稚内で、日本最北の海水から塩を作っています。宗谷の塩は稚内ブランドの認定品。ミネラルを含んだ、角のない塩味です。 - ベル食品昭和22年創業
札幌の食品メーカーです。1956年に出した成吉思汗たれで、ジンギスカンを家庭の食卓に広げました。道内のたれはベル派とソラチ派で好みが割れるそうです。 - 不二の昆布
羅臼の昆布を扱っています。羅臼昆布は真昆布と並ぶ高級品で、香りが強く、だしも濃く出ます。

