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江戸の食は、外で食べるものでした。蕎麦、寿司、天ぷら。手早く食べるための味付けが求められ、薬味と濃いだしが発達します。浅草の薬研堀では七味唐辛子が生まれ、日本橋には鰹節の問屋が集まりました。
都心を離れると伊豆大島があります。同じ東京都でありながら海に囲まれ、海水から塩を作る仕事が続いています。街の味と島の味が、ひとつの都に同居しています。
- 薬研堀の七味と、日本橋の鰹節問屋
- 同じ都内で海水から塩を作る伊豆大島
東京の調味料は「江戸の商い」から出ている
東京の調味料は、産地というより商いの町から生まれたものが多くを占めます。日本橋には鰹節を扱う店が並び、そこから出汁の文化が広がりました。浅草には薬研堀の薬種商から生まれた七味があります。
どちらにも共通するのは、地方の産物を集めて江戸の口に合うよう仕立て直す発想です。鰹節は土佐や薩摩から、唐辛子や山椒は各地から集まりました。江戸前の濃い味付けを支えたのが、これらの店の調合です。伊豆大島では海水から塩が作られており、都の産物として塩もあります。
七味唐辛子は薬から生まれた
やげん堀の始まりは寛永2年(1625年)、江戸の薬研堀端(現在の中央区東日本橋あたり)で中島徳右衛門が薬種商を開いたことでした。翌年、漢方の知識をもとに七色唐辛子を考案します。城内の宴の折に将軍徳川家光へ献上して気に入られ、「德」の字を賜ったと伝わります。
つまり七味は、料理の薬味である前に薬として作られたものでした。長野・善光寺門前の八幡屋礒五郎、京都・清水寺参道の七味家とあわせて日本三大七味と呼ばれます。やげん堀は今も浅草で、客の好みに合わせて配合を変えて量り売りしています。
郷土料理と調味料
- 江戸前の蕎麦つゆ
- 濃口醤油とみりん、鰹節のだしで作る濃いつゆです。麺を全部浸けずに先だけ浸けて食べる作法は、つゆが濃いことを前提にしています。
- 深川めし
- あさりを味噌や醤油で煮て、汁ごと飯にかけたり炊き込んだりします。漁師の食べ物が原型で、貝のだしと醤油だけで成立する料理です。
東京都の蔵元・醸造元
- やげん堀 中島商店寛永2年創業
浅草の七味唐辛子店です。薬種商として始まり、今も店頭で配合を調整して売っています。 - にんべん
日本橋の鰹節店です。だしを軸に、白だしなどの調味料も手がけています。 - 海の精
伊豆大島で海水から塩を造っています。にがりを含んだ塩を出しています。
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